メモリプール航海記

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MEV 対策 スリッページ設定:被害を減らす実践手順

編集部 · 更新 2026-10-14 · 4 分で読めます

MEV対策の基本は、スリッページ許容値を必要最小限にすること、大口の取引を分割すること、取引を公開の待機領域に出さない送信経路を使うこと、流動性の厚いプールを選ぶことの4つです。完全に防ぐ方法はありませんが、組み合わせれば被害の可能性を下げられます。

対策1:スリッページ許容値を絞る

スリッページとは、想定価格と実際の約定価格の差です。Uniswapのサポート記事でも、許容値を超えて価格が悪化した場合は取引が失敗する仕組みが説明されています。許容値を大きくするほど、他者が価格を動かせる幅も広がります。サンドイッチ攻撃は、この許容幅を使って成立します。

許容値の設定 長所 短所
小さい 攻撃に強い 取引が失敗しやすい
大きい 取引が成立しやすい 不利な価格で約定する余地が広い

目安は流動性とボラティリティ次第です。値動きの激しい通貨では小さすぎる設定が失敗の原因になるため、板の厚さを見ながら調整します。

対策2:注文を分割する

大きな取引は価格への影響が大きく、狙われやすくなります。複数回に分けることで、一度あたりの影響を下げられます。ただし、そのぶん手数料が増える点は考慮してください。

対策3:保護機能付きの経路を使う

取引を公開のメモリプールに出さず、限られた経路で送る機能があります。たとえばFlashbots Protectは、取引をビルダーに直接送る仕組みを提供しています。公開の待機領域に載らなければ、先回りの対象になる可能性が下がります。その仕組みはメモリプールの記事の前提と対応しています。

要点:対策は「見られない」「動かせない」「分散させる」の3方向です。1つに頼らず、設定と送信経路を組み合わせてください。

対策4:流動性の厚い市場を選ぶ

プールの流動性が薄いと、少額でも価格が動きます。取引量が多く、プールの規模が大きい市場のほうが、攻撃側が動かせる価格幅は小さくなります。

手順のまとめ

  1. 取引前にプールの流動性を確認する
  2. 許容値を必要最小限に設定する
  3. 大口の場合は分割を検討する
  4. 保護機能のある送信経路が使えるか確認する
  5. 約定後、想定価格との差を確認する

被害の確認方法

ブロックエクスプローラーで自分の取引を開き、前後に同じプールの売買が並んでいないかを見ます。疑わしい場合は、詳細な手法をフロントランニングの記事で確認してください。

提供者側の視点

守る側の対策がある一方で、攻撃手法を戦略として提示するサービスもあります。たとえばCryptoMEV Botの日本語ページは、トップページでフロントランニングを戦略の一つに挙げています。守る側と狙う側の両方の仕組みを知っておくことで、自分の取引がどのような環境に置かれているかを理解しやすくなります。購入を検討する場合は、免責事項に加え、手法の影響にも目を向けてください。

対策を習慣にする

対策は一度設定して終わりではありません。ウォレットやアプリの更新で設定が初期化されることもあり、取引のたびに許容値を確認する習慣が有効です。

また、大きな資金を動かす前には、少額でテスト取引を行い、約定価格の差を確認する方法もあります。ボットを利用する立場なら、CryptoMEV Botの日本語ページのようなサービスの設定項目でも、許容値やポジションサイズが自分の意図どおりかを定期的に見直してください。

対策の限界を理解する

ここで紹介した対策は、被害の可能性を下げるためのものであり、完全に防ぐ保証はありません。また、保護機能を使うと、取引の成立までの時間が延びたり、特定の経路に依存したりする場合があります。利便性と安全性のバランスを考え、取引の金額や頻度に応じて使い分けてください。仕組み自体の議論は、研究者やプロトコル側で続いており、将来は状況が変わる可能性もあります。

よくある質問

スリッページとは何ですか?

注文時に想定した価格と、実際に約定した価格との差です。許容値を設定すると、それを超える価格悪化では取引が成立しなくなります。

スリッページは小さいほうが安全ですか?

攻撃への耐性は上がりますが、小さすぎると取引が成立せず、失敗の手数料がかかることがあります。流動性に合わせた調整が必要です。

保護機能を使えば完全に防げますか?

被害の可能性を下げる効果はありますが、完全に防げるとは限りません。複数の対策を組み合わせるのが現実的です。

小額の取引でも対策は必要ですか?

金額が小さいと狙われにくい傾向はありますが、設定を緩くしたままにする習慣が大きな取引で被害を生みます。基本設定は常に見直してください。

出典